こうめのはなし

不倫して裁判経験した女の話

その不倫は嫌い

不倫をしていることは、その時点で、ほめられたものではありません。それは理解していて、なお不倫を続ける人の中には、自分なりのルールを作り、絶対にそのルールを超えない人もいるものです。別れてほしいとは思わず、迷惑をかけたり、壊してやりたいなど全く思っておらずに、ただ静かに好きでいさせてほしいだけです。


もちろん、そうでない人もいます。別れてほしい、自分と結婚してほしい、彼を貶めたい、苦しめたい…人の幸せが憎い、そういう気持ちの人たちがいることもたしかです。


不倫のニュースが昨年、今年と多いですが、不倫と聞くだけでアレルギー的に嫌悪感があるわけではないこうめでも、理解できる不倫とそうでない不倫があります。2016年一発めの、有名優等生タレントとバンドボーカルの不倫は、推測の域は出ませんが概ね理解できましたし、正直なところタレント女性には心底同情しました。


2017年の、俳優とグラビアアイドルの不倫は嫌いな部類です。悪意や打算を感じます。また女性からある種の葛藤がまったく感じられないのも、共感できない理由のひとつだと思います。ある種の葛藤とは、彼のこと、奥さまのことや、お子様のこと、今後の自分のこと…などいろんな迷いの中にいながら、自分なりに折り合いをつけてルールを作る、その過程です。


繰り返しにはなりますが、不倫をしていること自体、そもそもほめられたものではありません。それでも、いろんな種類があり、いろんな感情があることは、わかります。その不倫は、嫌いです。

雨宮まみさんの逝去によせて

耳を疑うニュースが飛び込んできた。

雨宮まみさんが亡くなった。


雨宮まみさんの経歴や、情報はほかにも色々まとまっているので詳しくは書かないとして、なぜこのブログで雨宮まみさんをとりあげるか、というところを少し。


雨宮まみさんの、「穴の底でお待ちしています」というページがあります。読者の悩み事もとい愚痴にただひたすら寄り添う形で答えるのです。雨宮まみさんは、どんな悩みや愚痴に対しても、否定せず、また一般論のようなアドバイスもせず、絶妙な相槌とともにただ相手に寄り添います。これがどれほどありがたいことなのか、どん底に落ちた経験があるひとなら、わかると思います。


「穴の底でお待ちしています」のなかには、不倫の愚痴もありました。詳細はそのページで確認してください。状況は全く同じでないにしろ、読みながら涙が止まらず、なんども読み返した箇所を、私のページにアクセスした誰かの救いになればと思い引用します。


雨宮まみさんへ心からの感謝をこめて。

当時、暗黒闇の中の私を救い出したのは、家族でも友達でもなく、間違いなくあなたでした。

<blockquote cite="http://cocoloni.jp/culture/258492/">「不倫してるのに!?」という非難もあるかもしれませんが、自分なりに節度を持って、14年、わずかな楽しい時間で満足してきたし、それで十分だと思ってやってきたところに、こういうことが起きたと。


自分なりに、不倫は不倫だけど、最低限ここは守ろうと思っていた部分を汚しに汚されてしまって、これまで信じてきたものは、自分が守ってきたものは一体なんだったのか、と、良かった思い出まで全部打ち消されるような思いをされているのだろうと想像しています。


差し出がましいようですが、自分のために、彼に対して怒って、恨んで、憎んでください。自分を傷つけた人を、今後許すにせよ許さないにせよ、一度は怒ってください。伝えても伝えなくてもいいですけど、めろんさんが責めるべきなのは、自分ではなく彼です。「そんな男を選んだ自分が悪い」「不倫した自分が悪い」と思うのもわかりますが、自分を責めたほうが楽なんです。そして自分を責めることで、自信を失ってゆき、ゆるやかに気力を失っていく人を、私はたくさん知っています。</blockquote>

引用元 http://cocoloni.jp/culture/258492/


では不倫は悪なのか

不倫することは、善悪の問題ではないとおもっています。


なぜいけないの?という問いへの答えが、法律違反だから、というのはどうかと思う。足を踏み入れたひとにしかわからない、独特な闇の沼がそこにはある。決して陶酔しているわけでは、ないのです。


こうめが不倫をすすめない理由は明確に2つ。1つめは、悲しいから。2つめは、結局女のだけが辛い思いをするケースがおおいから。この2つにつきます。


悲しいから、というのは、やるせない自分だけじゃない。人を傷つけた罪の意識から逃れられない将来の自分も。そしてなにより、奥さん、こども、奥さんの家族、彼、彼の家族、など多くの人の悲しい顔をみることになる。これが悲しいのだ。


2つめ、恋愛している間は、わからないと思います。が、いざとなったら男は逃げますよ。もしくは、口だけですよ。ほんとうに驚き、一気に氷点下まで気持ちが冷める瞬間に出くわす確率が50パーセント以上はあると思います。絶望です。


いま苦しんでいるからこのブログに出くわしたとして、これ以上そんな気持ちになってほしくないわけです。

婚姻制度への疑問

そもそもこうめが結婚についてどのように考えているかまとめてみます。


こうめが生まれて30数年経ちますが、その間の世の中の進化は目まぐるしいものがありました。いまの若い奴は…なんていう大人もいるように、きっと人間も変わりつつあるんだと思います。でも婚姻制度はまったく変わらない。


結婚はなんのために存在するのか?

意義、メリット、デメリットはなんなのか?


なぜ結婚したの?と友人にきくと、好きだからという答えがかえってきた。また別の友人にきくと、経済生活のためとかえってきた。別の友人にきくと、こども産みたかったからとかえってきた。また別の友人にきくと、老後のため、ときた。結婚する理由のうち、純粋に好きだから、というだけの理由は何パーセントくらいなのだろうか?


逆に結婚しなくても、経済生活に不安がない、こどもはなんの心配もなく育てられる、老後に不安はまったくない、そんな社会であれば、結婚を選択しない人間はどのくらいいるのだろうか?


こうめは、間違いなく、そのひとりになります。結婚した瞬間に突然さまざまな責任が降りかかりすぎるのが理解できないので結婚が恐ろしいと考えています。覚悟がない、弱いと言われればその通りですが、そこまでの覚悟を持って強気で結婚してるひとがどのくらいいるのか、というところは昨今の離婚率の高さをみると甚だ疑問です。


とはいえ、現在の日本では、個人で生きていくのは難しい状態であること、基本的にいろんなサービスが家族用であることを鑑みると、結婚したほうがメリットが多いのはたしかだと感じます。


こうやって生きづらく、嫁にも行きづらいというのがある一定数いるならば、もっと自由なパートナーシップ制度はないのかとふと思うのです。


こうめの考えは、マイノリティなのか。

不倫する女の心理とは

いろいろなコラムで不倫にはまりやすい女の特徴などまとめられています。これはたしかにと思うものもありますが、そうではないと思うもののほうが多いです。おそらくケースによって違うのでしょう。ここではこうめの例を示します。これまでの記録記事とは違ってこの記事は少し感情が入っています。

まずは東村アキコ先生の漫画、東京タラレバ娘を読んでみてほしいです。このなかの登場人物の1人が不倫に走る様子がとてもリアルに描かれています。こうめもこの状況に近いものがありました。

知り合った時は結婚していると知らず、会話を通して友人のように仲良くなっていく。相手がこちらの好意を確認したのち、実は結婚していることが発覚する(このタイミングは綿密に計算されているとおもう)。好意が高まり正常な判断が難しい状況で、不倫だけどいいか?と選択を迫られる。ここで引ければもちろん不倫には発展しない。ただ、『え…どうしよう…不倫なんてしたくないけど…どうしよう…やめなきゃ…でもいますぐ?え?』と迷う状況におそらく多くのひとが出くわすのです。

ここで結婚していると知らなかった、というのは言い訳だろと思うひともいるかもしれない。ただ、自然な状況で知り合ったひと、例えば趣味のサークル、仕事関係のひとなどいかにも恋愛という場でないところで出会ったひとにわざわざ結婚しているかどうかなんてまず聞かない。こっそり薬指の指輪をチェックするくらいが普通です。

そしてここから、家庭がうまくいってないとか、すでに別居中だとか、離婚にむけて話し合っておりほぼ確定しているだとか、子供がいる場合は産後クライシスだとか、こどもがうまれてからセックスレスだとか、散々聞かされます。そうすると不倫するしないはさておき、この人を放っておけない、せめて元気になってほしい、という気持ちが湧いてきます。このときすでに好きだからそれも自然です。そうこうしているうちに引くタイミングを逃し、ズルズルと不倫関係に発展していくのです。

このとき、別れて自分と…なんてことは思っていませんでした。なぜこのひとはこんなに辛い思いをしているのだろう?とか、ただ目の前にいる好きなひとが辛そうにしているのをどうにかしたいと思っていたのです。

そして、そう思いながらも、この間ずっと罪悪感にさいなまれたり、倫理的な自分と壮絶な格闘をしています。

こうめの例は、不倫をする女の典型的な特徴のひとつと言えると思います。精神的に大人でありたいと思っている、など背伸びをしたがるが本当はジメジメウジウジして生臭く幼稚。

先にご紹介した漫画の東村アキコ先生は、この不倫する登場人物に『〆鯖女』と名付けておられました。言い得て妙。

不倫だとわかったときに引けなかったこと、結果たくさんのひとを傷つけてしまったこと。いまでも本当に後悔、反省しています。前轍を踏んでほしくありませんので書きました。

当事者尋問の心得

少し前後しますが、当事者尋問のときに気をつけることを書きます。


服装

黒や紺、グレーなど落ち着いた色味。スーツがあるひとはスーツが無難。メイクは控えめ、長い髪は結んでいきましょう。


持ち物

印鑑、身分証明書が必要です。また、最後に提出した最終答弁みたいなものも持っておくと読み直しができるので便利です。

その他は代理人の指示に従ってください。


心得

当事者尋問となりますと、原告と顔をあわせることになります。大変にストレスのかかることです。気持ちが荒れると思いますが、裁判は冷静なものであり、想像よりはるかに事務的です。問題点をひとつひとつ処理する作業です。つとめて、冷静でいてください。


原告側の代理人は、気持ちをかき乱すような質問をしたり、意図や目的のある質問をしてきます。すべて原告に有利な情報を引き出したいためです。心を乱されて、ふいに出た言葉のあげあしをとらせてはいけません。回答は短く、はい・いいえで答えられるものはそれだけでいいです。だらだら話さず、簡潔に答えてください。感情は交えず、事実を整理する感覚でいてください。


そしてこれは強く言いたいことですが、当事者尋問は裁判官の心証が大きく影響します。法律は原理、結局ひとがひとを裁くのです。心から反省し、気持ちを改めたはずです。それをしっかりと態度で示してきてください。


自分は悪くない!自分にはこういう理由がある!と思う方もいますでしょうが、事実があるならば、現行の法律を前にして個人の思想は無力です。もちろん事実無根なら声高に主張してください。それでも裁判官に嫌われる態度はしないほうがいいと思います。


以上が当事者尋問の心得です。

どうかできる限り落ち着いて、行ってらっしゃい。

代理人をたてるかたてないか

お金のところでまとめたように、代理人をたてるとなりますと余分にお金がかかります。たてるかたてないか、悩まれるかたもおおいかと思います。


個人の意見ですが、たてたほうがいいと思います。書面を作成したり、裁判の期日へ出席したり、なにかとタスクが多いので仕事をしながらですとまず無理です。またなにか不安になったときにも専門家に相談できます。これはとても心強かったです。


またどのような弁護士がいいかということでは、自分に合う方がいいと思いますが、しきりに同調するような人よりは、依頼者の苛立ちを抑え冷静な判断を示しているくれるひとがいいとおもいます。あなたのためを思ってくれる人に出会えるといいですね。