こうめのはなし

不倫して裁判経験した女の話

お支払いと最終的にかかったお金のまとめ

さて、判決が確定したあとの、お支払いについてです。お支払いは、決定した慰謝料と訴訟費用、そして損害遅延金というものを払います。損害遅延金とは、支払いが遅れたことに対する利息のようなものです。こちらから起こした訴訟でなくても、いくらこちらがはやく終わるように努めても関係なく、長引いただけの金額が発生します。計算式によって代理人が計算してくれますので、慰謝料とともに支払います。


支払いは、指定口座に振り込みです。指定口座は、原告本人のものの場合もあれば、代理人の口座の場合もあるそうです。こちらの振り込みも、自分の口座から直接も振り込めますが、いったん代理人に振り込み、そこから依頼することもできるそうです。自分の口座を知られたくはないと思いますので、代理人口座を経由するケースが多いと聞きました。


さて、ここで裁判にかかった費用をまとめます。


着手金

→ 代理人に依頼するときによろしくという意味で支払います。事務所によりますが、請求額に対して8パーセントほどが一般的だそうです。昔は規定があって一律8パーセントだったのが、自由競争になってもそのまま維持されているのだそうです。


実費

→代理人が使用する切手代や郵送代、コピー代、移動にかかるお金などです。着手金とともに支払い、すべて終わったあとに清算されて過不足調整します。2ー4万くらいです。


訴訟費用

→訴訟を起こす際に裁判所へ支払う費用です。金額は計算式により決定されるそうです。先に原告が立て替えて、裁判のなかで負担割合を争うことが多いです。金額は忘れましたが、驚くような金額ではなかったです。


慰謝料

→慰謝料そのものです。こうめのばあい、160万でした。被告2人で折半したので実際は80万です。


損害遅延金

→こちらも計算式によって決定します。

金額は覚えていません。意外とかかると思った記憶はあります。


弁護士謝礼(成功報酬)

→裁判がすべて終わったあとに、弁護士に支払うお金です。請求額に対していくら減額(増額)できたか、に対して何パーセントという式で算出される場合と、請求額に対して何パーセントという場合があるそうで、割合は事務所によって異なるようです。着手金と同じで昔の規定どおり16パーセントというところが多いとのことでした。


!注意!弁護士の着手金、謝礼については弁護士事務所によって違うのでよく確認してください。


ざっくり計算してみると、

着手金は25万?、実費2万?、訴訟費用?、慰謝料160万の半分で80万、損害遅延金?、弁護士謝礼35万?くらいで計算すると、軽く150万は超えたことになります。


金額は記憶が曖昧です。もう少し昔のことになりますので、なにかと変わっている部分があるかもしれません。最新の情報ではありませんので、最新の情報はかならず専門家から得てください。


大きなお金が動き、ショックを受けられるかと思います。たくさん反省されたかと思います。本当にお疲れ様でした。




判決と、その後について

当事者尋問が終わってまた1か月半くらいたつと判決をきくことになります。判決は裁判所で一応形式的にもあるそうですが、当日に代理人や本人が行くことはあまりなく、事務官から代理人へ連絡がくるのを待ちます。損害賠償の金額、訴訟費用の原告被告の負担割合と、その理由などが書かれた書面も届きます。


おわったー!!!!と言いたいところですが、実は終わりではありません。控訴の可能性が残っているからです。民事訴訟では、判決に不服、不満がある場合、控訴が可能です。判決を聞いて(判決の書面を受け取った日)から2週間以内に控訴するかどうか決めます。原告、被告、両方から控訴が可能です。控訴されたら、その控訴が裁判所に受理される→新しい裁判(控訴審)が始まるかどうか、判断を待つことになります。受理されますと、控訴審が始まります。


ちなみに控訴審に対しても不服の場合、次は上告ということができるので、最大3回の裁判が可能、ということになります。


この控訴の可能性が残る2週間、本当に胃が痛みこころが重たいと思いますが、それでも1日は24時間なので、できるだけゆったりした気持ちで待たれるといいかと思います。


こうめは控訴がありませんでしたので、控訴、上告については実態が不明です。しかしもし控訴になった場合の話は聞きましたので参考までに残します。


裁判の期間は、第一審ほどは長引かないそうです。争点がある程度整理されているからだそうです。ケースによるが、半年〜8か月くらいかなと弁護士は言っておりました。よっぽど大きな新事実がなければ、控訴で金額が跳ね上がるということは稀だそうです。裁判官は第一審と別の人が担当します。上告も同じようなことだと予想されます。


控訴されなかった場合、そこで判決は確定します。弁護士と打ち合わせ、損害賠償をお支払いという流れになります。本当にお疲れ様でした。


お支払いについては、次にまとめます。





当事者尋問について

当事者尋問とは、裁判といえば!というあのイメージそのものです。真ん中に裁判官、片側に原告と原告代理人、反対側に被告と被告代理人。決められた日程に遅れないように参加します。平日なので仕事をしているひとは休む必要があります。遠くてもここは参加してください。基本的には代理人と最寄駅や裁判所で待ち合わせして行くことになります。


いろいろと不安でしょうが、事前に一度、代理人と打ち合わせや予行練習しますのでわからないことは代理人に根掘り葉掘り聞くといいと思います。


ちなみに民事の裁判所は原告と被告の入り口が分かれていないので、鉢合わせする可能性大です。もし嫌なら代理人とよくよく相談してください。


裁判所にはいろんな裁判の部屋があります。その日そこでおこなわれている裁判は山のようにあるのです。自分の部屋は、本日の裁判一覧みたいな紙がどこかわかりやすいところにあるはずなのでそれを見て知ります。代理人がいれば付いていけば大丈夫です。


部屋に到着したら、代理人の隣の席か傍聴席(後ろのほうで一般開放されている席)に座ります。どちらでもいいそうですが、傍聴席のほうが原告の顔を直視しないのでまだ緊張しません。ちなみに一般開放されていますが傍聴席に誰か来ることは稀です。


身分証の提出と、本人確認書類を書かされます。名前、住所、生年月日など簡単なものです。捺印が必要なので印鑑を持っていきましょう。


裁判官の指示で裁判が始まります。私は嘘をつきません、という宣誓をします。中央の証言台に全員一緒に集まり、全員一緒に読み上げます。最後に自分の名前を順番に言って宣誓は終わりです。


尋問は、原告代理人→原告、被告代理人→原告、裁判官→原告。被告代理人→被告、原告代理人→被告、裁判官→被告。という順番に進みます。争点の多さによりますが、1人30分くらいだそうです。原告被告が複数いる場合、一人一人終わってから次のひとです。こうめの場合も、男性の妻、男性、こうめの順番でした。ほかのひとの尋問中はそこに居なくても構わないのですが、裁判官の心証を考えると苦しくてもそこにいるほうがいいそうです。また裁判官からの尋問は場合によってはないそうです。


原告代理人→原告、被告代理人→被告のように自分の味方からうける尋問は事前の予行練習通りなので問題ありません。大変なのは、被告代理人→原告、原告代理人→被告のように相手がたからうけるケースです。これは一応代理人が予想される一般的な質問で練習してくれますが、当日にならないとどんな質問がくるかはわかりません。当事者尋問の一番ストレスがかかるところです。


基本的に尋問は、争点の整理です。争点とは、慰謝料の金額に影響するであろうポイントです。具体的には、相手夫妻の婚姻の期間、不倫関係前の婚姻関係の状況、こどもいるいない、不倫関係の期間、不貞行為の回数、不倫関係により相手夫妻は離婚に至ったかどうか、悪質性(離婚に仕向けるように嫌がらせをしたとか)などです。このあたりは色んな法律事務所がホームページで紹介しているのでそちらを読み漁って参考にしてください。


それらを味方からの尋問ではいかに自分に有利になるように回答できるか、相手がたからの尋問ではいかに不利にならないように回答できるかが勝負なのだそうです。原告は、尋問で真実を知りたい!!という気持ちで起こすこともあるのでしょうが、実際には真実どうこうというよりとても事務的に感じました。弁護士が関わっており、金額がダイレクトに成功報酬に関わるので、戦略があるようでした。それでも、嘘はつきませんでした。嘘とばれると裁判官の心証は最悪ですし、原告に何も信じてはもらえなくなるだろうと(すでに何も信じてはいないでしょうけど)思うからです。ちなみに嘘とばれた場合は、偽証といって、裁判所からペナルティがあるそうです。それでも相手が立証できないことなら嘘つくひともいるそうです。


一通りの尋問が終わりますと、裁判は終了です。その後、別のお部屋に案内され、裁判官からまたそれぞれ呼び出されます。ここで再度、原告に和解をすすめるのだそうです。で、和解が成立したかどうかを被告側に伝えます。成立すればそこで終わり、和解成立せず判決の場合は、判決の日にちが伝えられます。判決の場合は、またここも1ヶ月半くらいかかります。


お疲れさまでした。あとはもう判決を待つのみです。


→判決とその後については、次で紹介します。


訴訟以降の流れ

それでは訴訟の話にうつります。


訴訟の全体像としては、訴状が届く→それについて何度か話し合いの場(期日 といいます)が開かれる→裁判所から和解が提案される→和解が成立しなければ当事者尋問(全員が裁判所に集まり、尋問をうける)→判決がでる となります。裁判というと何度も裁判所に行かないと…と思うかもしれませんが、代理人を立てた場合、自分が出席するのは当事者尋問のみです。


1、裁判所から訴状が届く

こちらは書類です。代理人を立てたら、代理人事務所宛に届きます。いきなり訴訟を起こされたケースや、代理人を立てずにいる場合は、ご自宅に届きます。裁判所は、原告の管轄地になるので原告の住んでいる場所の簡易裁判所です。


訴状には、原告代理人が原告の話を聞いて、こうこうこういう理由でこのような請求をします というのをまとめたものが、これでもかというほど固苦しく書かれています。これについての反論書面を作成し、期日までに裁判所へ提出します。


2、期日について

第一回の期日が決められます。その期日までに訴状への反論書面を提出します。その反論についての反論書面を次回期日までに相手が出す、というふうに書面のキャッチボールのように進みます。不倫の証拠などがある場合、ここで提出されます。最初に全部出す場合と、少しずつ小出しにする場合がありますが、特に決まりはないそうです。


1回の期日の所要時間は、およそ5分から10分だそうです。とても短いですね。裁判所のほうから、双方書面は届いてますか?確認してますか?なにかいま聞いておきたいことありますか?次回の期日いつにする?という事務的な内容のみが話し合われ、書面については具体的には触れず、次回の期日に出される書面にて回答せよということだそうです。


そして期日はだいたい1ヶ月半に1回〜2ヶ月に1回というものすごいスローにすすみます。弁護士も裁判所も忙しすぎるのか…とにかく時間がかかります。そんなに争点が多くないにも関わらず裁判に1年という時間がかかったのは、この期日のスローペースが一因です。


ちなみに期日は、争点が多くなくても3回〜くらいはあるのだそうです。裁判所としても原告の気持ちをすべて吐き出させ、クールダウンする意図があるそうです。期日の終わりは裁判所が判断し、和解が提案されるケースが多いそうです。


3、裁判所から和解が提案される

期日の最終日、こうめの場合も、裁判官から和解が提案されました。基本的には和解に合意するかどうかは原告次第です。原告は合意しなかったので、当事者尋問の日程を決めます。和解が成立したらここで終了となります。


ちなみに、和解が成立するケースと尋問までいくケースは半々くらいなんだそうです。原告がそもそもで気の強いタイプや、怒りの感情が強いひとだとやはり尋問になることのほうが多いとのことで、ベテラン弁護士になると、だいたいそれまでの流れで感覚的にはわかるそうです。


4、当事者尋問にいく


→当事者尋問については、次で紹介します。



訴訟までの具体的な流れ

ある日突然

1、原告代理人(弁護士)より内容証明郵便が届く

内容証明郵便とは、日本郵便ホームページによると、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。日本郵政のホームページから抜粋しました。正式かつ確実にその文書の存在を証明するものです。え、受け取ってないよ?とかそんな文書知りません。と言うのを防ぐために使うものと思われます。


その内容証明郵便の内容は、原告代理人(弁護士)からの文書で、『男性と不倫していますね。男性の妻が大変苦痛を被りましたので損害賠償の慰謝料として男性と2人合わせて500万払ってください。』というのをとても難しい専門用語で書いたものでした。


ここで頭が真っ白になります。いろいろと感情が溢れ出します。その日は一日何も手につかなかったです。その後、不倫、損害賠償、慰謝料、弁護士などで検索しまくったことは言うまでもありません。


2、弁護士事務所に無料相談にいく

どうしていいかわからず、内容証明を持って弁護士事務所に無料相談に行きました。話を聞いてもらい、やるべきことを相談しました。


答えは明確でした。内容証明郵便を受け取ったら、あとやることは①態度を決める。②自分がやるか代理人がやるか。の2つです。


①態度を決めるとは、内容証明にかいてあることを一部事実として認め交渉にはいるか、事実でないとして徹底的に争うかの選択をすることです。交渉とは、和解と金額の交渉です。


②その選択したことを、自分でやるか、代理人弁護士に頼むか決めます。


こうめは、①不倫の事実は認めたうえで、慰謝料を払うが、金額を交渉することを選びました。しかしそれよりまず謝りたいと思ったので代理人を立てずに直筆の謝罪文を書くことにしました。


3、謝罪文を送付

代理人弁護士事務所宛に送付しました。宛名の書き方などはテンプレを検索してみてください。しばらくして原告代理人から電話があり、和解には応じませんとのことでした。そしてこうめも代理人を立てることにし、弁護士事務所へ依頼しました。


4、ここからはお互いの代理人による交渉が始まります。しかしやはり和解は成立せず、原告から提訴となりました。ちなみに弁護士同士の和解交渉というのは、争点を事務的に整理し、妥当な慰謝料の金額を模索していくものです。感情が入らないので基本的にはかなり事務的になるそうです。


5、訴訟以降の具体的な流れについては次に紹介します。






全体像

まず全体像を紹介します。


【人物】

こうめ 30代女性独身

男性 30代男性

男性の妻 30代女性


【内容】

交際期間 4ヶ月

不貞行為 2回

夫婦の婚姻期間 5年

婚姻関係は知っていたが価値観の相違から離婚間近で話し合いをしているところ、しかも別居中と聞いていた

(事実は全く違っていたということを裁判を通して知ることになる)

こども いる

(これも最初は知らなかったが後日知ることになる)

離婚 裁判の期間中に離婚はしなかったが、離婚する予定とのことだった


【結果】

こうめと男性に対し、共同不法行為による損害賠償請求として合計500万の請求。つまり慰謝料です。全員それぞれ弁護士をたて、弁護士を通して和解交渉するも成立せず、原告より提訴。判決として、2人合計で160万の支払いに決定。なお、訴訟費用(訴訟を起こすのにも費用が必要で、とりあえず原告が負担するのですが、最終的に訴訟の中身を見て裁判官が負担の割合を決めます)は原告と折半。


ちなみに、160万の負担の割合は特に指示がないため、こうめと男性の弁護士同士で話し合いをして決めます。平等に半分ずつ支払いました。


こうめだけに慰謝料を請求するケースもあるそうですが、男性に対しても共同で請求した事例でした。


【期間】

弁護士事務所のホームページでは、半年くらいと書かれてあることが多いですし、個々の事例によるので一概には言えないですが、こうめの場合は全て終わるのに丸2年かかりました。そのうち裁判そのものにかかった期間は1年ほどです。


→具体的な流れは次に紹介します。



はじめに

不倫して裁判まで経験した話を記録します。知っているか知らないかわかりませんが、結構身近なところに不倫はあります。ことが起きたとき、必死で弁護士事務所のホームページや判例、ひとのブログなど探し回りましたが、参考になるものは多くなく絶望したことを鮮明に覚えています。事実ベースで、あまり感情をいれずに書いていく予定です。不倫して困っている誰かのためになればいいと思っています。


それからこのブログは、不倫の是非や内容をどうこう問うものではありません。肯定しないですが、否定もしません。いろんなケースがあると思うので。ただ、経験者としては、いますぐやめた方がいいと考えます。やめるかやめないかはその人次第、このブログを読んで今後自分に降りかかる事をしり、いろんな考えに触れてご本人が決めたらいいことと思います。


それでは始めます。